理系の大学生は半分以上が大学院に進学するといわれます。でも、大学院なんて大学の延長なんでしょ?特にやること変わらないんでしょ?と思う方もいるでしょう。
実は学部と大学院では大きな違いはないもののその目的が少し違うんです。それは学部では教育をメインに研究者の育成を目指すことと、大学院ではその育成された研究者が研究をするところという風にざっくりと目標が分けられています。
教育をメインとしたときの大学の形と、研究をメインとしたときの大学院の形と、どのように違うのか説明いたします。
目的の違い
まず大学教育の主題は研究機関として研究者を育成すること、世に貢献する研究をすることなのです。博士課程に至るまで少しずつ研究者を育てていくことを考えています。
大学で基礎の座学、大学院で研究を少しかじる、博士課程で研究者として一歩目的な考え方です。
授業数
大学では研究者としての基礎を植え付けるために、たくさんの授業を行います。それらはきちんとテストもあって、それに合格すると単位の形で取得が出来ます。卒業に必要な単位数が取れないことには卒業は出来ません。
大学院でも卒業に必要な単位数が存在します。が、その大学院の卒業に必要な単位数は驚くほど少ないのです。大学学部時代に研究者として卵になったらあとは研究をしろというスタンスですね。
大学では答えがないといわれることが多いですが、学部ではまだ授業がメインで、答えのある問いが多く存在します。いい子ちゃんしてれば大学は卒業できます。
研究
学部では卒論があるという話はよく聞きます。では、どれくらい卒論のために学部生が研究をしているんかというと、せいぜい卒業前の半年~1年間くらいです。
学部生は大学に入学してから教養の授業や他にも、たくさんの授業を受けなければなりません。研究をするために研究室に所属するのは3年の後期からとか言ったところが多いのです。それからやっと研究が始まります。
対して大学院生はその学校生活のほとんどを研究室で過ごします。日々のほとんどが研究になるのです。ほとんどの大学院生は大学と同じ大学院に進学し、同じ研究室に所属します。
大学院に進学すると3年生で配属された研究室で2年間の研究生活を延長するのです。研究では正解のないテーマに挑むため、自分の意見や考察などが要求され先生と議論を交わすこともありますので、いい子ちゃんしているだけではいけません。
大学院生は研究が主な活動になります。
卒業の難易度
卒業に必要なのは単位です。卒論や修士論文にも単位が割り振られていて、それらを規定量取得していけば晴れて卒業となります。
学部では授業がメインとなるため、きちんと出席をしているのか、テストの点数をとれたのか等が大事になります。つまり、学部を卒業するのは高校を卒業するのとさして変わらないように卒業できます。しかも高校よりも緩いです。
対して大学院では研究論文をきちんと書くこと、この1点のみに重きが置かれています。大学院時代の時間はほとんど自由に与えられています。論文さえ書けば文句は言われません。
ただし、論文を書かないと卒業は認めてもらえないのです。じわじわと締め切りが迫ってくる間隔は、夏休みの宿題を彷彿とさせますね。
時間の使い方
ここまで書けばわかると思いますが、学部、大学院で時間の使い方が全く違います。学部では授業のためにこの時間はここにいる、この時間はあそこにいるといったことが比較的きっちり定められます。
対して、大学院は研究さえすればいいので何時に大学に行っても、何時に大学にいなくても基本的に怒られることがありません。自由です。
学部では自由度が少なく、大学院では自由度が高くなります。人によって良しあしでしょう。
まとめ
学部と大学院ではその目的の違いからスケジュールや授業に違いがあります。もくもくやるべきことをこなせない人は大学院には向いていないでしょう。
大学院を目指す人は良く考えてみてください。